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Channel: ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき
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受託ビジネスは1人月いくらにすると儲かるか(2)戦略1:単価を上げる

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先ほどの、

ソフト受託ビジネスには、2つのビジネスモデルがある。

話。
まず、儲け話の前に、損益分岐ライン。

1人月単価70〜60万だと、技術者10人くらいで、とんとん

という話になる。

ではここで、儲け話。
一つは、単価を上げる戦略。



<<単価を上げる>>

単価を上げれば、もちろん、儲かる。
たとえば、同じ技術者7人でも、
1人月単価80万だとしたら、1年で960万。
変動費が400万だったので、
限界利益は960−400=560万
(1人あたり、560万、会社に入れられる)

固定費を3000万と見ていたので、同じ7人でも、
560*7−3000=ざっくり1000万くらい儲かる・・・


・・・とはならない。なぜか?



変動費は400万とみたが、これは、若手の人だった。
でも、単価を上げる→一般には技術的に高い人→若手じゃないかも?
ってことで、原価も上がる可能性がある。
単価が10万上がっても、原価が10万上がってしまうと、
意味がない。


また、単価が高くなってくると、下流工程は、できなくなってくる。
実は、下流工程(PG、テスト)のほうが、上流工程(要件定義、設計)より、
単価がやすいのだ。

そこで、開発方法としては、上流に高い人を入れる場合、要件定義、設計
で例外条件など、あとあと問題になるところを上流でつぶし、下流工程に
工数をかけず(自動化やパターンの多用)に開発することになる。

→このやりかたは、全般的に、第2パターンより、人数は少なくて済む

上流で問題点をつぶしたり、下流工程の自動化を行うとなると、
そこそこ、技術的に高度でなくてはならず、そのための勉強を体系的に
行わないといけない。
このことから、2つの問題を生じる
(1)教育・研修コストがかかる
  →本を読むにしても、それを確認する時間的、金銭的コストがかかる
 本を読んだだけで、試さないのは、技術的に意味がない。
 本のとおり、実践ではことが運ばず、まさにそれを知ることが、技術なのだから

(2)短期間に人を増やせない
 本を読めばすむ、ネットを調べれば済むという話ではなくなると、
 それ相応の経験=時間が必要になるので、短期間に人を増やせない



結果として、会社は、小さめになる。
小さい会社で高い技術を持っているソフトハウスを作る場合に向いている
ビジネスモデルである。

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