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Channel: ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき
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受託ビジネスは1人月いくらにすると儲かるか(1)まず、損益分岐点

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ソフト受託ビジネスには、2つのビジネスモデルがある。
それを説明するために、まず、損益分岐点近くの、まったく利益の出ない
モデルについて説明する。



<<受託ビジネスにおける直接原価計算>>

 受託ビジネスにおいては、人月で一般的には考える。
つまり、この計算において、技術者が商品(=作成されるソフトウェアではない)で、この技術者に対して支払われるお金が、変動費になる。

 それが証拠に、技術者を増やせば、もらえるお金は、それに比例して増える。仕事があれば・・・(固定費だと増えないはず)。

 一方、経営者、事務員などのバックオフィスの人に払うお金は、固定費となる。
 (事務員を増やしても、もらえるお金は増えない)

 →普通の直接原価計算だと社員は固定費
  (社員は商品ではないから。社員を増やしても、製品数が直接増えないから)



<<ざっくり計算をするために・・・>>

 技術者1人あたりに、毎年400万かかるとする。
 コレは、交通費・社会保険費(会社が支払う分と、個人で支払う分)・福利厚生費なども含んでいるので、給与額面は、ボーナスなしで、360万になる。
 つまり、額面月30万、手取りはもっと低くなる(ボーナス一切成し、残業代込みで)だから、若手の安い人を想定している。

 そして、技術者を1人月単価70万で卸したとすると、(70万で、SIer等など、取引先と契約するということ。したがって、ユーザー企業は、SIerと、もっと高い1人月単価で取引する)、1年あたり、70*12=840万

 つまり、1人当たり、1年間で、840−400=440万の限界利益がある。
 これで、固定費をまかなう。



<<固定費部分>>

 社長の給料を、月100万とする。コレくらいないと、社長が銀行・その他もろもろから信用されないだろう
なので、年間1200万

 会社の家賃+光熱費+通信費・・・その他、会社を維持して行くのに必要な経費を月60万とする(小さい会社だと、ちょっと高めだけど、東京で、適当な広さなら、まあ、妥当か・・・大体、家賃+管理費で、1坪1万円〜1万5千円くらい?45万で、30坪)
で、年間720万

 総務のお姉さんは必要なので、年間280万くらい(計算しやすくした)

 他に、税理士、社労士へのお金、求人募集、採用活動、法務、経理ソフト・・・その他もろもろの、総務のお金がかかる。これを、800万としよう(あきらかに、計算しやすくしてる・・^^;)

合計1200+720+280+800=3000万、
なにもしなくても、年間、コレくらいのお金がかかってしまう。



<<何人で回収できる?>>

技術者1人当たり、会社に440万円入れられて、
会社は、3000万かかるのだから、

3000÷440=およそ7

となる。つまり、

技術者7人、社長と総務のおねえさんで、1人月単価70万が、
とんとんライン。


ちなみに、同じように1人月60万にしてしまうと、
1人当たり、60*12−400=320万なので、

300÷320=9〜10の間→損益分岐を超えるには10人

となる。つまり、

技術者10人、社長と総務のおねえさんで、1人月単価60万が、
とんとんライン。

ということになる。



では、次にここから、利益を出すビジネスモデルを考える。


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